大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 アトミックデザイン研究センター
平原研究室
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実験装置
高分解能透過電子顕微鏡(HRTEM) JEOL JEM-2500SE
炭素など軽元素の観察のために加速電圧90kVで調整された、高分解能透過電子顕微鏡(HRTEM)。 これにマニピュレータを組み込み(→スーパーナノファクトリー)、ナノ構造体の加工プロセスなどを直接観察できる。 また、ナノ電子回折モードにより、数ナノメートルの領域から電子回折図形が得られ、ローカルな領域での結晶構造が解析できる。 走査電子顕微鏡(SEIモード)透過走査電子顕微鏡(STEMモード)機能も搭載し、試料形状、観察目的に応じて使い分けられる。
スーパーナノファクトリー
TEMに搭載したナノマニピュレーション装置。TEM内で探針を3次元方向に数ナノメートルの精度で操作して、一本のカーボンナノチューブなどを取り出したり、変形・加工したり、通電したり、電気特性を測定したりできる。わずかな原子数で構成されるナノメートルスケールの大きさの物質では、ほんの少しの構造変化が物質全体の特性に敏感に作用する。本研究室では、カーボンナノチューブを様々な形状に変形加工して、加工による原子レベルの構造変化と機械特性・電気特性の相関を調べている。
透過電子顕微鏡(TEM) JEOL JEM-1200EX
スタンダード、かつクラシックなTEM。しかし、カーボンナノ材料を高分解能観察するには十分な分解能を備えている。
走査型電子顕微鏡(FE-SEM) HITACHI S-4500
真空中の物体に細い電子線を照射したときに発生する2次電子線や反射電子線などの信号をそれぞれの検出器を用いて取り出し、 その強度をモニタ上に輝点列の像として表示する電子顕微鏡。
スパッタリング蒸着装置
イオン化したガスをターゲットに照射して、 はじき出された原子・分子を別の場所においた基板上に蒸着する装置。 本研究室では、カーボンナノチューブ、カーボンナノコイル合成のための、触媒ナノ粒子や基板バッファー層の作製に用いている。
真空蒸着装置
真空にした容器の中で、AlやAuなどの蒸着材料を加熱し気化もしくは昇華させて基板の表面に付着させ、薄膜を形成する装置。
表面粗さ計
試料中の特定箇所をスキャンして、表面粗さを測定する装置。10ナノメートル以下の高低差でも検出できる。
マニピュレーター付き走査型プローブ顕微鏡
環境制御型走査型プローブ顕微鏡
微細な先端をもつ探針を走査して物質表面をなぞり、形状を明らかにする。像の細やかさ(分解能)は、探針の曲率半径が大きく影響する。通常のシリコン探針は、曲率~20ナノメートル程度だが、カーボンナノチューブを先端に取り付けた探針を用いれば、より高分解能が実現する。また、平らな基板上に配置したナノ物質単体を、探針を使って動かすことができるので、一本の探針を使って観察とナノ物質操作の両方が行える。
CVD装置
化学気相蒸着 [Chemical Vapor Deposition(CVD)] を行うための反応炉。 本研究室では、カーボンナノチューブや、カーボンナノコイルを高効率で安定に合成できるよう設計されている。 CVD法では、触媒となる金属を基板上に散布した状態、 または反応管中に浮遊させた状態で水素やヘリウム雰囲気下で炭素源となるガスを加熱して熱分解させることにより炭素を供給し、 触媒を核としてナノチューブやナノコイルが成長する。