「はやぶさ2」カプセルが無事回収されました。

探査機「はやぶさ2」の採取した地球外物質試料を載せたカプセルが今年12月6日に地球にリエントリーし、無事回収されました。これから、日本惑星学会誌遊星人29巻p.28に示されている計画のように、リターンサンプルの分析が始まっていきますが、そのなかでphase2高知において、カーボンナノチューブ(CNT)を試料ホルダ(解析対象物質を固定しておく支持体)として用いる準備をしています。CNTヤモリテープは、従来の粘着テープにはないメリットがあり、不定型な粒子状試料の支持体として最適なデバイスになり得ます。宇宙物質のような厳密な環境制御を要する系での分析において十分試料ホルダとして通用することが実証され、惑星科学、航空宇宙科学をはじめとする様々な分野でのマルチスケール物質構造解析の進展に繋がっていくことを期待しています。CNT試料ホルダに関する論文は、Review of Scientific Instruments, 91, 035107 (2020)Meteoritics & Planetary Science 55, 1133–1152 (2020)に掲載されています。