科研費・基盤研究(B)

科研費・基盤研究(B)に、「粒子試料支持体への応用に向けたカーボンナノチューブヤモリテープ強力接着機構の実現」が採択されました。

【概要】
配向成長したカーボンナノチューブ(CNT)からなる、ヤモリ足裏構を模した粘着テープ(CNTヤモリテープ)は、物質解析における粘着式試料支持体として、現存する物質のなかで最も理想的な素材と考えられます。しかしながらその実現にあたっては、接着時の圧着によるテープ劣化の問題が残されています。また、粒子状の固体に対する接着特性も十分に理解がなされているとはいえません。本研究課題は、CNTヤモリテープの超強力接着を実現することを目的として、粒子状固体試料表面に対してCNTヤモリテープを接着させ、剥離する一連の過程における力学計測およびその場観察を行います。1本レベルでのCNT先端における接着特性・摩擦特性に加えて、配向したCNTのなす凝集体構造の有するマクロな弾性・衝撃吸収特性などが階層的におりなすテープ力学特性を解き明かし、制御していくことにより、不定形な固体試料を強く固定できる配向CNT形態、ならびに、非劣化強接着を実現する予荷重負荷機構を確立することを目指します。